不倫は男女で同じように非難されるのか?
116の社会における不倫(婚外性交渉)に対する態度を調べた1976年の研究
婚外性交渉が夫婦ともに認められている→11.2%
夫のみに認められている→43.1%
夫婦はともに非難されるが、妻の方が厳しく罰せられる→22.4%
夫婦ともに非難され、同じように罰せられる→23.3%
不倫をするとした人は非難されて当然と思うかもしれませんが、世界中を見渡してみると、不倫をした人物が非難されるかどうか、そして受ける罰の程度は大きく異なります。
今回は116の社会における不倫(婚外性交渉)に対する態度を調べた1976年の研究を見てみましょう。
ちなみにですが、このように多くの社会を比較したデータが存在するのはまさに文化人類学の偉業と言えるでしょう。
結果としては、婚外性交渉が夫婦ともに認められている社会の割合は11.2%でした。
夫のみに認められている割合は43.1%、夫婦はともに非難されるが、妻の方が厳しく罰せられる割合は22.4%でした。
最後に、夫婦ともに非難され、同じように罰せられる割合は23.3%でした。
このデータを見る限り、男性よりも女性にとって不倫をすることは多くの非難や罰を受けるようです。
しかし、これが直接男性による女性に対する性差別かというとそこは難しい問題です。
なぜなら、このデータからは男性が主に非難しているのか、女性が主に非難しているのかわからず、またなぜこのような傾向が生み出されているのかなどこのデータだけからはわからないことが多いからです。
参考文献:
Broude, G. J., & Greene, S. J. (1976). Cross-cultural codes on twenty sexual attitudes and practices. Ethnology, 15(4), 409-429.