男女別学が女の子の顔の好みに及ぼす影響
女子校出身の女の子は男女共学出身の女の子に比べて、男女に関わらず女性的な顔への選好が有意に強いことが判明
ある特定の集団に暴露されると、その集団内で一般的な顔の特徴に対する正常性の知覚が向上し、魅力の評価が高まることを示唆
私たちは成長するにつれてさまざまな文化に触れます。
文化というのは非常に曖昧でヒトに特有だと感じさせる単語かもしれませんが、生物で言うところの環境だと考えると良いでしょう。
つまり、個体は発達の段階でさまざまな環境からの入力を受け取り、個体の適応度が最大化されるようにさまざまな行動を調整するのです。
例えば、私たちが成長の段階で触れる集団は私たちの価値判断に影響を与えます。
このことは2009年に行われた研究を見ると理解できるでしょう。
この研究によれば、女子校出身の女の子は男女共学出身の女の子に比べて男性顔、女性顔の両方において、女性的な顔への選好が有意に強いことが判明しました。
つまり、ある特定の集団に暴露されると、その集団内で一般的な顔の特徴に対する正常性の知覚が向上し、魅力の評価が高まることが示唆されるわけです。
どのような人々が正常で、どのような人々が異常なのか、言い換えるのならばどのような人々に対する選好が高まることが適応度の上昇に寄与するのかというのは暴露される集団によって異なる可能性があるというわけです。
個人差を説明することも進化心理学の重要なポイントだということがわかる研究です。
参考文献:
Saxton, T. K., Little, A. C., DeBruine, L. M., Jones, B. C., & Roberts, S. C. (2009). Adolescents’ preferences for sexual dimorphism are influenced by relative exposure to male and female faces. Personality and Individual Differences, 47(8), 864-868.