無過失離婚法と離婚率の変化
米国での無過失離婚法の影響を調べた1995年の研究
無過失離婚法が制定された後、6州を除く全ての州で離婚率は増加
皆さんは「無過失離婚」という言葉を聞いたことはありますか?
無過失離婚とは一方の過失が無くとも離婚が成立することを言います。
例えば、アメリカでは州によって要件は様々ですが、無過失離婚法が全ての州で認められています。
今回は無過失離婚法の制定前と後での離婚率の変化のお話です。
米国での無過失離婚法の影響を調べた1995年の研究によると、無過失離婚法が制定された後、6州を除く全ての州で離婚率は増加しました。
つまり、離婚をすることが簡単になった結果、人々は離婚をするようになったというわけです。
この研究は「そりゃそうでしょ」と言うように当たり前の結果に思えるかもしれませんが、とても重要です。
なぜなら、例えば国別の離婚率を単純比較した時、私たちは離婚率が低い国の人々は愛に溢れていると直感的に感じてしまうかもしれませんが、その背景には離婚のしやすさなど、単純比較データからは垣間見ることができない要因が関係する可能性があるからです。
データを見たり、分析する際には常に“落とし穴”を探すことが重要なのです。
参考文献:
Nakonezny, P. A., Shull, R. D., & Rodgers, J. L. (1995). The effect of no-fault divorce law on the divorce rate across the 50 states and its relation to income, education, and religiosity. Journal of Marriage and the Family, 477-488.