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専門家は優れた判断を下すのか?

専門家と素人による株価予測対決


株式市場の専門家と素人が2銘柄の内、儲かる方を選択していく2004年の実験
専門家の予想は40%しか当たらず、素人よりも予想が外れる結果となった

皆さんは株式の専門家と素人が株式に関する予測をした時、どちらの方が予測が当たると思いますか?


今回は、そんな興味深い対決を実際に実現させた2004年の研究をご紹介します。


結論から述べますと専門家の予想は40%しか当たらず、素人よりも予想が外れる結果となりました。


この実験結果を見ると、「なんだ、専門家なんてやっぱり適当なことを言っているだけじゃないか」と思うかもしれませんが、そうではありません。


もし、本当に適当なことを言っているのなら、50%の精度で素人と同じように決断を下せたはずです(実験1では素人の予測の程度は50%、実験2では52%であった)。


これは、今回の実験の内容ではただ単に専門家が利用した知識が役に立たなかったというだけなのです。


私たちが未来予測をする時、専門的な知識を用いて膨大なデータから結論を下すことが良い場面もありますが、そうでなくシンプルなヒューリスティックに従った方が良いこともあるわけです。


少なくとも、専門家の言っていることが常に正しいわけではないということを明らかにしたという点ではこの研究は非常に重要なものだと思われます。


参考文献:


Torngren, G., & Montgomery, H. (2004). Worse than chance? Performance and confidence among professionals and laypeople in the stock market. The Journal of Behavioral Finance, 5(3), 148-153.

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