マダラカンムリカッコウの戦略
マダラカンムリカッコウはカササギの巣に托卵をする
托卵を受け入れない場合は86%、托卵を受け入れた場合は12%の確率で巣が荒らされた
カササギは托卵を受け入れた方が繁殖成功がやや高くなる
カッコウは意地悪なだけ?ではマダラカンムリカッコウのヒナが存在することがハシボソガラスにとって有益になり得るという話をご紹介しました。
今回はマダラカンムリカッコウとカササギの関係を見てみましょう。
マダラカンムリカッコウはカササギの巣に托卵を行いますが、ヒナがカササギのヒナを皆殺しにすることはありません。
つまり、カササギはマダラカンムリカッコウのヒナを受け入れることが余分なコストにはなりますが、圧倒的に悪いコスト(自身のヒナの数が0になる)にはならないわけです。
しかし、なぜカササギは托卵を受け入れる場合があるのでしょうか?
マフィア仮説と呼ばれているマダラカンムリカッコウの戦略がこれを説明するでしょう。
マダラカンムリカッコウは巣を再度訪れ、自身の卵がまだあるかどうかで巣を荒らすかどうか決めるのです。
研究でも、托卵を受け入れない場合は86%、托卵を受け入れた場合は12%の確率で巣が荒らされるということが明らかになっています。
実際、カササギは托卵を受け入れた方が繁殖成功がやや高くなるようです。
まさにマフィアのように巡回を行うマダラカンムリカッコウというわけです。
ヒナが宿主の子どもを皆殺しにするよりはマシ...なのでしょうか?
参考文献:
Soler, M., Soler, J. J., Martinez, J. G., & M⊘ ller, A. P. (1995). Magpie host manipulation by great spotted cuckoos: evidence for an avian mafia?. Evolution, 49(4), 770-775.