霊長類における白血球数と一妻多夫の度合いの比較研究
配偶システムと免疫システムの関係を調べた2000年の研究
霊長類ではメスが多くのオスと交尾する種では白血球の数も多い傾向があることが判明
一妻多夫の傾向が強い種では免疫システムに多く投資が行われているということ
ヒトが完全に単婚なのかそれとも完全に複婚なのかというのは議論があるかもしれませんが、少なくとも種によって配偶システムが異なることは間違いないでしょう。
複婚には多くの異性を獲得できるというメリットがありますが、性感染症のリスクが増加するというデメリットもあります。
今回は配偶システムと免疫システムの関係を調べた2000年の研究を見てみましょう。
この研究によれば、霊長類ではメスが多くのオスと交尾する種では白血球の数も多い傾向があるようです。
言い換えるならば、一妻多夫の傾向が強い種では免疫システムに多く投資が行われているということです。
どれだけ自身の免疫に投資をするのかという問題が配偶システムによる性感染症のリスクと関係するということは非常に興味深いのではないでしょうか?
参考文献:
Nunn, C. L., Gittleman, J. L., & Antonovics, J. (2000). Promiscuity and the primate immune system. Science, 290(5494), 1168-1170.