集団間競争の下での協力の性差
集団間競争という分脈で集団に協力する割合を調べた研究
男性の92%が協力したが、女性は53%しか協力しなかった
男性は女性よりも集団間の脅威に対して強く反応するということ
男性は乱暴で、女性は優しい。
文脈を無視してこのような画一的なステレオタイプを持つことはヒトの心を捉える時に私たちの視野を狭めてしまうことがあります。
例えば、集団の為に協力するのは男性なのでしょうか?それとも女性なのでしょうか?
横暴な男性は集団への忠誠心を示しにくく、優しい女性は集団の為に頑張るのでしょうか?
集団間競争という分脈で集団に協力する割合を調べた研究によると、男性の92%が協力したが、女性は53%しか協力しませんでした。
これは、男性は女性よりも集団間の脅威に対して強く反応するということを示唆しています。
グループの間で起こる争いの勝敗は男性にとって非常に重要です。
争いに勝てばより多くの異性を獲得できますが、敗者のグループに属していると男性の適応度にとっては低下するでしょう。
しかし、女性はどうでしょうか?
女性という性は勝者になろうが敗者になろうが異性から求められる性である為(親の投資理論を参照)、女性にとって集団間競争はそれほど重要ではありません。
この生物学的な性差は集団間競争で負けることの恐怖を男性に引き起こし、男性を野蛮な争いへと誘っていくのです。
参考文献:
Vugt, M. V., Cremer, D. D., & Janssen, D. P. (2007). Gender differences in cooperation and competition: The male-warrior hypothesis. Psychological science, 18(1), 19-23.