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なぜ性行為を楽しめるのか?

性的興奮と嫌悪感の抑制


Q. 性行為は性感染症などを引き起こすにも関わらず、なぜ楽しめるのか?
A. 性的興奮は性関連の嫌悪感を抑制させるから(Stevenson, Case, & Oaten, 2011)

性行為は性感染症などを引き起こすことが知られています。


しかし、そのような生命にとって危険な感染症を引き起こす性行為をなぜヒトは楽しめるのでしょうか?


これは、性的興奮が性関連の嫌悪感を抑制させるからと考えられます。


2011年の研究によると、若い男性に見られる性的興奮に続く性関連の嫌悪感の抑制は、視覚、聴覚、および触覚のモダリティ全体に当てはまることがわかりました。


つまり、性行為は感染に関連したさまざまな要素(身体的接触や体液や粘膜など)を含んでいますが、性行為を楽しめるのは私たちの病原体に対する嫌悪感が性的興奮によって抑制されるからなのです。


ヒトにはさまざまな感情が備わっていますが、それらは常に同じ問題を解決してくれるわけではありません(性的興奮と病原体に対する嫌悪感はそれぞれ繁殖と疾病回避という問題を解決する)。


今回のように、繁殖と疾病回避という2つの問題が競合する時には、一方の感情は抑制されることで、他方の感情が関連する適応問題の解決を優先させるわけです。


参考文献:


Hook 3rd, E. W. (2012). Gender differences in risk for sexually transmitted diseases. The American journal of the medical sciences, 343(1), 10-11.


Stevenson, R. J., Case, T. I., & Oaten, M. J. (2011). Effect of self-reported sexual arousal on responses to sex-related and non-sex-related disgust cues. Archives of sexual behavior, 40(1), 79-85.

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