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犠牲になるべきは男か女か

Costly altruismとターゲットの性別


犠牲になる人の性別が人々の道徳的判断に影響するか調べた2016年の研究
歩道橋のジレンマにおいて、参加者の88%は男性を歩道橋から突き落とすことを選択
沈没船では男性よりも女性を先に助けるべきと回答
社会規範によれば、女性よりも男性を傷つけてお金をもらうことが受け入れられる、男性よりも女性に危害を加えることは不公平、そして女性よりも男性の方が痛みに強いと回答
全体的な結果は、男性よりも女性の方が危害から守られやすいことを示唆

私たちが道徳的な判断を下す時、その判断は何に基づいているのでしょうか?


例えば、沈みゆく船から人を救うかどうかという問題では、人を救う方が(救わない方に比べて)道徳的と考えるかもしれませんが、誰が真っ先に救われるべきか?という問題ではどうでしょうか?


今回は、犠牲になる人の性別が人々の道徳的判断に影響するか調べた2016年の研究を見てみましょう。


この研究には研究1A〜3Cまで複数の調査や実験が含まれていますので、気になる方は補足資料も含めてご確認ください。


主な結果を簡単に紹介すると、歩道橋のジレンマにおいて、参加者の88%は男性を歩道橋から突き落とすことを選択しました。


また、沈没船では男性よりも女性を先に助けるべきと回答しました。


社会規範によれば、女性よりも男性を傷つけてお金をもらうことが受け入れられる、男性よりも女性に危害を加えることは不公平、そして女性よりも男性の方が痛みに強いと回答しました。


つまり、全体的な結果としては、男性よりも女性の方が危害から守られやすいことを示唆しています。


参加者とターゲットの性別の組み合わせや年齢の統制、異文化でも効果が一貫しているかなど調べることはたくさんありますが、少なくともこの研究からわかることを大雑把に解釈すると、社会は男性に対して厳しいようです。


参考文献:


FeldmanHall, O., Dalgleish, T., Evans, D., Navrady, L., Tedeschi, E., & Mobbs, D. (2016). Moral chivalry: Gender and harm sensitivity predict costly altruism. Social psychological and personality science, 7(6), 542-551.

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