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環境に優しい製品

ステータスと購買意欲


ステータスを求める動機が高まった時、人々は環境に優しい製品をプライベートではなく、公の場で購入しようとした
ステータスを求める動機が高まった時、人々はより割高な環境に優しい製品を購入しようとした

皆さんは環境に優しい製品を購入したことがありますか?


再生紙を利用した製品(トイレットペーパー)や自然をできるだけ壊さないような製品(バイオマスプラスチック)など、環境に優しい製品は意外と多く目にすることが出来ます。


しかし、環境に優しい製品の多くはコストが余分にかかるため、一般的な製品と比べて高価であるという点が指摘されています。


普通に考えると、商品は安ければ安いほど良いのですが、中には環境に優しい製品を好んで購入する人もいます。


では、進化心理学の観点からどのような人が環境に優しい製品を購入するのか分析してみましょう。


2010年に行われた研究では、参加者のステータスを求める動機を高めた時に、環境に優しい製品をどれくらい購入したがるのかを調べました。


すると、興味深いことが2つわかりました。


1つ目は、ステータスを求める動機が高まった時、参加者は環境に優しい製品をプライベートではなく、公の場で購入しようとしたということです。


2つ目はステータスを求める動機が高まった時、参加者はより割高な環境に優しい製品を購入しようとしたということです。


つまり、ステータスを求める動機と、割高な環境に優しい製品を公の場で購入することには関連があったというわけです。


この研究は次のように解釈することが可能です。


進化心理学的には、個人がわざわざ余分のコストを払うのは名声を高める為ですので、高い地位を求める動機が高まった際には、環境に優しい製品を購入することはうってつけの戦略というわけです。


したがって、購入する際は公の場でなければ意味がないし(公の場で購入する方が良い評判が立ちやすい)、安い製品では意味がないといわけです(余分なコストを払っていることにならない)。


モチベーションが変われば購入する製品も変わるということでしょう。


参考文献:


Griskevicius, V., Tybur, J. M., & Van den Bergh, B. (2010). Going green to be seen: status, reputation, and conspicuous conservation. Journal of personality and social psychology, 98(3), 392–404. https://doi.org/10.1037/a0017346

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