繰り返しと妥当性の錯覚
被験者が政治、スポーツ、芸術などの分野から選ばれた60個の文章のそれぞれを真か偽か判断した実験
繰り返された文章の妥当性判断は有意に増加(もっともらしい発言の繰り返しがその発言の真実性に対する人の確信を高める)
「嘘も百回言えば真実になる」という言葉はあまりにも有名ですが、本当にそんなことあるのでしょうか?
実は、古典的な心理学の実験では百回言わずともヒトは簡単に嘘に騙されるということを明らかにしています。
今回は、被験者が政治、スポーツ、芸術などの分野から選ばれた60個の文章のそれぞれを真か偽か判断した実験をご紹介します。
端的に実験結果を述べると、繰り返された文章の妥当性判断は有意に増加しました。
この実験ではもっともらしい文章が題材として選ばれていましたので、この結果はもっともらしい発言の繰り返しがその発言の真実性に対する人の確信を高めるということを意味しています。
インターネット上に溢れるデマに踊らされないようにする為には、私たちヒトが何度も繰り返し見聞きしたことを信じやすいということを覚えておかなければいけません。
参考文献:
Hasher, L., Goldstein, D., & Toppino, T. (1977). Frequency and the conference of referential validity. Journal of verbal learning and verbal behavior, 16(1), 107-112.