労力と共有の関係
労力量の違いによって得られた貨幣と公共財に対する協力の関係を調べた実験
貨幣を高い労力によって得た参加者は協力する可能性が低いことが判明
労力量の違いによって得られた貨幣と公共財に対する協力の関係を調べた2009年の研究を見てみましょう。
この実験では、参加者は異なる労力(低労力 vs. 高労力)によって得られた貨幣を個人口座、グループ口座、またはその両方に割り当てるよう求められました。
個人口座では参加者がお金を保持するのに対し、グループ口座では投入された貨幣を実験者が2倍にして、グループメンバー4人に均等に還元しました(したがって、自分のみが投入した貨幣は半分になって返ってくるが、複数人が協力した場合には投入した貨幣は増えて返ってくる事になる)。
結果としては、貨幣を高い労力によって得た参加者は協力する可能性が低いことが判明しました。
苦労して手に入れたお金だからこそ使いたくない、反対に言えば楽をして手にしたお金だからこそ使うことができる。
そういうヒトの心情が窺える研究でした。
参考文献:
Muehlbacher, S., & Kirchler, E. (2009). Origin of endowments in public good games: The impact of effort on contributions. Journal of neuroscience, psychology, and economics, 2(1), 59.