年齢に関する性的関心と性的活動の性差
男女の異性の年齢に関する性的関心が実際の性的活動とどう関係するのか調べた2015年の研究
フィンランド人12,656人を調査
男性は20代半ばの女性に性的関心を持つ傾向にあった
女性は同い年からやや年上の男性に性的関心を持つ傾向にあった
年齢の分布を比較してみると、実際の性的活動は(男性ではなく)女性の性的関心を反映していることがわかった(性行為を行うかどうかは男性よりも女性に決定権があるということ)
「年齢はただの数字」
そんなことが言われることがありますが、本当にそうなのでしょうか?
今回は、男性と女性が異性に対して性的関心を持つ時、実際に性的活動が行われる時に年齢がどのような予測力を持つのか見てみましょう。
男女の異性の年齢に関する性的関心が実際の性的活動とどう関係するのか調べた2015年の研究では、フィンランド人12,656人を調査しました。
その結果、男性は20代半ばの女性に性的関心を持つ傾向にあったが、女性は同い年からやや年上の男性に性的関心を持つ傾向にあることがわかりました。
ここまでは、進化心理学の分野ではよくある報告だと思います(もちろん、フィンランドのような男女平等が非常に進んだ国でもこのような性差が見られるというのはそれだけで興味深いですが)。
この研究がさらに面白いのは、性的関心と実際の性的活動の年齢の分布を比較しているということです。
その結果、実際の性的活動は(男性ではなく)女性の性的関心を反映していることがわかりました(性的関心に関する異性の年齢の好みの分布と実際の性的活動が行われた時の異性の年齢の分布が男性よりも女性に近かったということ)。
これは、性に関して男性よりも女性の方が選り好みを行うことの証拠と言えます(性行為を行うかどうかは男性よりも女性に決定権があるということ)。
これは、ヒト以外の生物ではよく言われることですが、年齢の分布を比較することで検証しているというところが面白いのではないでしょうか。
参考文献:
Antfolk, J., Salo, B., Alanko, K., Bergen, E., Corander, J., Sandnabba, N. K., & Santtila, P. (2015). Women's and men's sexual preferences and activities with respect to the partner's age: Evidence for female choice. Evolution and Human Behavior, 36(1), 73-79.