慈悲的性差別の魅力
慈悲的性差別がどのような女性にとって魅力的に映るか調べた2018年の研究
愛着不安の高い女性は(愛着不安の低い女性よりも)慈悲的性差別を支持する男性を魅力的だと評価
性差別は悪いことばかりで、性差別を受ける側にとっては全く魅力的には映らないのでしょうか?
もちろん、「性差別」という単語だけを見ると、撤廃すべき前時代的概念のような感じがしますが、女性が受ける性差別として研究者が考えているものの幅は非常に広く、「女性は男性に感謝すべきだ」というようなものから「女性は大切にされるべきだ」というようなものまで様々です。
今回は敵対的性差別ではなく、慈悲的性差別について考えてみましょう。
慈悲的性差別がどのような女性にとって魅力的に映るか調べた2018年の研究では、愛着不安の高い女性は(愛着不安の低い女性よりも)慈悲的性差別を支持する男性を魅力的だと評価することがわかりました。
つまり、関係の安定さを望む女性にとっては、女性の自立を挫くような慈悲的性差別であったとしても、好ましいというわけです。
全ての男性や女性が性差別を支持したり、性差別に反対するのではなく、個人差を生み出す要因を見出すことも研究の面白さだと思います。
参考文献:
Cross, E. J., & Overall, N. C. (2018). Women's attraction to benevolent sexism: Needing relationship security predicts greater attraction to men who endorse benevolent sexism. European Journal of Social Psychology, 48(3), 336-347.