鳥の巣とタバコの吸い殻
鳥がどのように巣の中の寄生虫に抵抗しているのか調べた2013年の研究
都市部の鳥はタバコの吸い殻を巣に持ち込んで、寄生虫忌避剤として利用している可能性がある
暑い夏の夜に窓を開けて涼んでいると、虫が入ってきて嫌な思いをすることがあります。
目に見える虫も嫌ですが、ダニなどの非常に小さな虫にも注意しなければいけません。
ダニよけスプレーなどの寄生虫忌避剤がある私たち人間は良いのですが、他の生き物はどのようにして寄生虫を避けているのでしょうか?
鳥がどのように巣の中の寄生虫に抵抗しているのか調べた2013年の研究によれば、都市部の鳥はタバコの吸い殻を巣に持ち込んで、寄生虫忌避剤として利用している可能性があることが示唆されました。
具体的な研究内容については、参考文献からご確認いただければと思いますが、この研究で興味深い点は2点あります。
それは、鳥も人間と同じようになんらかの物質を使って寄生虫に抵抗しているという点と都市部の鳥ではその行動が環境に合わせて変容しているという点です。
鳥が本当に“意図”してタバコの吸い殻を利用して寄生虫を避けているのかというのはもう少し検証が必要かもしれませんが、少なくとも鳥の不思議な行動を理解する仮説としては面白いものかと思われます。
参考文献:
Suárez-Rodríguez, M., López-Rull, I., & Macías Garcia, C. (2013). Incorporation of cigarette butts into nests reduces nest ectoparasite load in urban birds: new ingredients for an old recipe?. Biology letters, 9(1), 20120931.