西洋人とハザ族の平均顔の好み
西洋人とハザ族が平均顔を好むか検討した2007年の研究
西洋人はヨーロッパ人の顔とハザ族の顔の両方に対して平均性への選好を示した
ハザ族はハザ族の顔に対してのみ平均性への選好を示した
平均顔の選好には視覚的な経験が必要ということを示唆
進化心理学の文脈では、魅力的な顔の基準として平均顔が挙げられます。
平均顔とは、平凡な顔というわけではなく、集団の中で平均的な特徴を持っている顔ということです。
例えば、日本人20名の顔を合成して得られる顔が平均顔ということです。
この顔は顔の特徴が20名の平均ですので、より魅力的な顔になるということです。
西洋人とハザ族が平均顔を好むか検討した2007年の研究によれば、西洋人はヨーロッパ人の顔とハザ族の顔の両方に対して平均性への選好を示すことがわかりました。
これは、従来から言われている平均顔の効果が頑健に見られたということです。
一方、興味深いのはハザ族はハザ族の顔に対してのみ平均性への選好を示したということです。
なぜ西洋人とハザ族では平均顔の効果が異なるのでしょうか?
考えられている要因としては、様々な人種の顔を見る経験が豊富な西洋人では、平均顔の基準がどちらの顔に対しても確立されているのに対して、ヨーロッパ人の顔を見る経験が限られているハザ族ではハザ族の顔に対してのみ平均顔の基準が確立されているということです。
つまり、平均顔の選好には視覚的な経験が必要ということを示唆しています。
参考文献:
Apicella, C. L., Little, A. C., & Marlowe, F. W. (2007). Facial averageness and attractiveness in an isolated population of hunter-gatherers. Perception, 36(12), 1813-1820.