恋愛関係と魅力的な異性の模倣
魅力的な異性の行動をどの程度模倣するか調べた2008年の研究
恋愛関係にある人は恋愛関係にない人よりも魅力的な異性を模倣する程度が低い
現在のパートナーとの親密度が高いほど、魅力的な他者を模倣する傾向はさらに減少
身の回りの人がした行動をついつい真似てしまうということはありませんか?
例えば、目の前に座っている人が髪を触ったり、鼻を掻いたりした時に無意識に同じことをしているということはありませんか?
今回は魅力的な異性を真似ることについて考えてみましょう。
2008年の研究では、魅力的な異性の行動をどの程度模倣するかが、参加者の恋愛関係と照らし合わせて調査されました。
その結果、恋愛関係にある人は恋愛関係にない人よりも魅力的な異性を模倣する程度が低いことが明らかになりました(この傾向は男女に当てはまった)。
さらに、現在のパートナーとの親密度が高いほど、魅力的な他者を模倣する傾向はさらに減少することが分かりました。
このことから、魅力的な異性の模倣行動は部分的に目標指向であることを示唆しており、現在のパートナーとの関係を維持することが必要である場合には模倣行動が調整されることを示唆しています。
わかりやすく言い換えると、これらの結果は恋愛関係にない人は自然と魅力的な異性を模倣して異性獲得に努めるのに対して、既に恋愛関係にある人は自然と模倣を抑制し、異性獲得よりも配偶者維持に努めるという違いによって生み出されると考えられるというわけです。
参考文献:
Karremans, J. C., & Verwijmeren, T. (2008). Mimicking attractive opposite-sex others: The role of romantic relationship status. Personality and Social Psychology Bulletin, 34(7), 939-950.