集団の中でうまく生きていく為には
わずかな時間さえあれば、集団内にヒエラルキーは生まれる
ヒエラルキーとは階級制のことです。
会社などが典型的なヒエラルキーの例でしょう。
平社員の上に係長や課長、その上に部長や経営陣が並び、頂点に社長が君臨します。
対人関係においても(会社ほど顕著でないにしても)ヒエラルキーは存在します。
ある研究では、見ず知らずの参加者(男性)を3人1組にすると、50%は1分以内に、残りの50%は5分以内に、グループ内に明確なヒエラルキーが誕生しました。
さらに驚くのは、ヒトは新しいグループに所属する際、(会話が行われずとも)将来の自分の地位を予測することが得意ということもわかっています。
これらの知見は、社会的動物であるヒトにとって、ヒエラルキーの存在は自然だったこと、さらにはヒエラルキーの中でうまく立ち回ることが生存率や繁殖率に関係してきたことを暗示しているのでしょう。
参考文献;
Fisek, M. H., & Ofshe, R. (1970). The process of status evolution.Sociometry, 33(3), 327–346.https://doi.org/10.2307/2786161
Kalma, A. (1991), Hierarchisation and dominance assessment at first glance. Eur. J. Soc. Psychol., 21: 165-181. doi:10.1002/ejsp.2420210206
Cummins, D.D. Dominance hierarchies and the evolution of human reasoning.Mind Mach6,463–480 (1996). https://doi.org/10.1007/BF00389654