顔の類似性が父親に及ぼす影響
顔の類似性と親の投資の関係をモーフィングを利用して検討した2002年の研究
男性は自分の顔に似ている子どもを最も魅力的で、最も養子にしたい、最も一緒に過ごしたいと考えるなど、モーフィングの影響がいくつも見られた
女性の反応は子どもの顔との類似性の影響をあまり受けなかった
子どもに投資を行う場合、自分に似ているかどうかは母親よりも父親にとって重要である可能性を示唆
自分に似ている子は可愛くてしょうがありません。
確かに、自分の親やきょうだいも自分の子どものように顔が似ているものですが、自分の子どもの可愛さは、親やきょうだいに対する感情とはまた違ったものがあります。
子どもが自分に似ていると感じると、私たちは特にその子に投資をしたくなるのでしょうか?
親の投資と顔の類似性の関係をモーフィングを利用して検討した2002年の研究を見てみましょう。
モーフィングとは複数の画像を組み合わせて1枚の画像を作成する技術のことです。
これにより、全く赤の他人でも、参加者の顔に似せるというようなことが可能になります。
モーフィングの結果、男性は自分の顔に似ている子どもを最も魅力的で、最も養子にしたく、最も一緒に過ごしたいと考えるなど、様々なモーフィングの影響が見られました。
しかし、女性の反応は子どもの顔との類似性の影響をあまり受けなかったこともわかりました。
子どもに投資を行う場合、自分に似ているかどうかは母親よりも父親にとって重要である可能性を示唆しているというわけです。
もしかすると、母親は子どもとの遺伝的関連性を疑う必要がなく、男性は様々な手がかりを用いて遺伝的関連性を推定している為に、子どもとの顔の類似性に影響を受けやすいのかもしれません。
参考文献:
Platek, S. M., Burch, R. L., Panyavin, I. S., Wasserman, B. H., & Gallup Jr, G. G. (2002). Reactions to children's faces: Resemblance affects males more than females. Evolution and Human Behavior, 23(3), 159-166.