集団で生き延びる方法
朝型は朝に夜型は夜に見張りを行う
突然ですが、皆さんは朝型ですか?夜型ですか?
そもそもなぜ、進化は朝型や夜型という異なる時間で行動するようにヒトを形作ってきたのでしょうか?
例えば、数十万年前の人類の暮らしを想像してみましょう。
朝型は日中獲物を狩ったり、果物を採取したりします。
その間夜型は寝ているだけです。
これだけを見ると、夜型が払うコストは朝型が払うコストに比べてとても低いことになります。
なぜ、朝型は楽して食べ物にありつける夜型にならないのでしょうか?
現代では夜型はだらしがないと思われがちですが、実は夜型には夜型の仕事があるのです。
それは、夜間に敵(肉食動物など)が襲ってこないように見張りをするのです。
現代には夜間に肉食動物などに襲われるということはめったにないので想像が難しいですが、私たちの祖先は弱肉強食の自然界を生きていました。
その世界では、夜型の存在意義とはとても大きいのです。
実際、祖先と同じような環境を生きている狩猟採集民族の1つであるハザ族の観察が行われました。
ハザ族の内、成人が約20人いる集団を営むグループの行動が20日間観察されました。
その結果、なんと、全員が寝ている時間はわずか18分しかありませんでした。
これは、先ほどの予測を証明する結果です。
つまり、現代人が朝型と夜型に分かれるような睡眠方法を取るのは、太古の生存戦略の名残といえます。
参考文献:
Samson, D. R., Crittenden, A. N., Mabulla, I. A., Mabulla, A. Z. P., & Nunn, C. L. (2017). Chronotype variation drives night-time sentinel-like behaviour in hunter–gatherers. Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences, 284(1858), 20170967. doi: 10.1098/rspb.2017.0967