病気の不安と対称的な顔の好み
病気の不安と対称性の高い顔への選好の関連を検討した2011年の研究
個人差とプライミングのどちらも病気に対する感受性の高さは対称的な顔への選好を予測
病気の脅威が顕著な時に対称的な顔を好む傾向は顔以外の刺激には一般化しなかった
皆さんは病気になった時に好みの変化を感じたことはありますか?
普段はあまり食べないような食べ物を無性に食べたくなったり、飲みたいものが変わったりというようなことです。
病気は多くの心理的な変化を引き起こしますが、今回は対称的な顔への選好について考えてみましょう。
病気の不安と対称性の高い顔への選好の関連を検討した2011年の研究によれば、個人差として測定された病気の心配(病気に対する脆弱性の認知)は対称的なの顔への選好を予測しました。
また、プライミングを行なった場合も同様の結果でした。
つまり、参加者は病気の脅威によって対称的な顔を好んだというわけです。
興味深いのは、対称性の好みは顔刺激には見られましたが、顔以外の刺激には見られませんでした。
なぜこの結果が興味深いかというと、この結果は顔の対称性に見られる魅力の知覚が、人間の知覚システムが対称性を好むという一般的な傾向を支持していないからです。
健康的な人を求めて、私たちは対称的な顔を好むということです。
参考文献:
Young, S. G., Sacco, D. F., & Hugenberg, K. (2011). Vulnerability to disease is associated with a domain‐specific preference for symmetrical faces relative to symmetrical non‐face stimuli. European Journal of Social Psychology, 41(5), 558-563.