2種類の不公平忌避の発達
不公平忌避がどのように発達するのか、7つの社会から集まった4歳〜15歳の子どもを対象に検討した2015年の研究
自分が相対的に不利な場合の不公平忌避は全ての集団で発達の中期までに出現したが、自分が相対的に有利な場合の不公平忌避は3つの集団でのみ、しかも発達の後半になってから出現した
こんな場面を想像してください。
「友人数名とあなたは今バーベキューをしています。親切な友人がお肉を切り分けてくれました。あなたが他の人のお皿と自分のお皿を比べてみると、自分より他の人の方が大きなお肉が取り分けられていました。」
もし、お肉が大好きなら、あなたは少し嫌な気持ちになるかもしれません。
今度は、少し状況を変えてみましょう。
「友人数名とあなたは今バーベキューをしています。親切な友人がお肉を切り分けてくれました。あなたが他の人のお皿と自分のお皿を比べてみると、自分の方が他の人よりも大きなお肉が取り分けられていました。」
あなたは喜ぶでしょうか?それとも、平等に取り分けられることを喜ぶのでしょうか?
不公平忌避とは不公平な状態を嫌うことですが、自分が有利な場合の不公平忌避と自分が有利な場合の不公平忌避について今回は考えてみましょう。
不公平忌避がどのように発達するのか、7つの社会から集まった4歳〜15歳の子どもを対象に検討した2015年の研究によれば、自分が相対的に不利な場合の不公平忌避は全ての集団で発達の中期までに出現したが、自分が相対的に有利な場合の不公平忌避は3つの集団でのみ、しかも発達の後半になってから出現したようです。
もしかすると、自分が相対的に有利な場合の不公平忌避というのは、自分が相対的に不利な場合の不公平忌避に比べて、進化上重要でなかった為に、見られる集団が限られていたり、発達の後期まで登場しないのかもしれません。
参考文献:
Blake, P. R., McAuliffe, K., Corbit, J., Callaghan, T. C., Barry, O., Bowie, A., ... & Warneken, F. (2015). The ontogeny of fairness in seven societies. Nature, 528(7581), 258-261.