過剰模倣から考えるヒトの進化
ヒトが優れているのは知能ではなく真似をすること
ヒトとチンパンジーは遺伝的にとても近い種族ですが、現代の生活を比べてみるとその差は歴然と言えます。
一方は森で生活しますが、他方は森を作り変えてしまいます。
我々人類は服を着て、家を建て、ロケットを飛ばします。
果たして、これほどの文化を作り上げたのは一体なんだったのでしょうか?
過剰模倣という考え方があります。
これは、何かを真似る時、必要のない動作まで忠実に学ぶということです。
ヒトの子どもとチンパンジーを比べた時、チンパンジーは必要のない動作(餌をとるための)は真似しませんが、ヒトの子どもは全て真似しようとします。
これが、文化を作り上げたものだと考えられています。
斧などの道具を作る時や毒物を調理する際、いちいち必要な手順やそうでない手順を考え、理解していては文化は伝達されないでしょう。
「なぜそうなるかはわからないけど、それで成功しているんだから全て真似した方がいいというわけです。」
参考文献;
Lyons, D. E., Young, A. G., & Keil, F. C. (2007). The hidden structure of overimitation. Proceedings of the National Academy of Sciences, 104(50), 19751–19756. doi: 10.1073/pnas.0704452104