人間活動と昼行性/夜行性
6大陸、62種の哺乳類の活動パターンを調査した76件の研究のメタ分析(2018)
人間の干渉に反応して、動物の夜行性は平均1.36倍増加(例:昼と夜に均等に活動する動物の夜間活動の割合が68%に増加)
電気のない時代であれば、日が沈んだ後は火を灯し、読書をしたり家族や友人との会話をささやかに楽しんだものですが、現代社会では“眠らない街”と称されるほどネオンに照らされた繁華街が存在します。
そんな街中に毎夜繰り出す人々は電気のない時代には存在しなかった“夜型”かもしれませんが、動物の昼行性・夜行性も人間活動によって大きな影響を受けていることが指摘されています。
2018年の研究ではメタ分析を行い、6大陸、62種の哺乳類の活動パターンと人間活動が及ぼす影響を検討しました。
このメタ分析には76件の研究が含まれています。
分析の結果、人間の干渉に反応して、動物の夜行性は平均1.36倍増加(例:昼と夜に均等に活動する動物の夜間活動の割合が68%に増加)することがわかりました。
これは、動物たちの昼行性・夜行性という一見種に固有で固定されていると考えられる活動パターンが外部からの干渉(今回の研究で言えば、人間活動)によって容易に変化しうるということを示唆しています。
参考文献:
Gaynor, K. M., Hojnowski, C. E., Carter, N. H., & Brashares, J. S. (2018). The influence of human disturbance on wildlife nocturnality. Science, 360(6394), 1232-1235.