アカゲザルの実験から考える情報の価値
アカゲザルの研究では、たとえ無価値な情報であっても食べ物や水などを得た時に反応する報酬系が活性化することが判明
情報は価値がなくとも、それ自体が報酬(快感)になる場合があるということ
現代社会には膨大な量の情報が存在しており、私たちは日々それらを消費しています。
しかし、なぜこれほどまでにヒトは情報を求めるのでしょうか?
2009年のアカゲザルの研究では、無価値な情報であっても食べ物や水などを得た時に反応する報酬系が活性化することが判明しました。
この実験では、アカゲザルが水を手に入れる際に、「手に入れられる水の量がわかるマーク」と「水の量に全く関係のないマーク」のどちらを好むのかが調べられました。
「手に入れられる水の量がわかるマーク」は意味のある情報ではないのか?と思いたくなるのですが、水の量はランダムに決まっていたので、結果としてはどちらのマークも“意味がない”わけです。
しかし、それでもアカゲザルは「手に入れられる水の量がわかるマーク」を好んだのです。
情報は価値がなくとも、それ自体が報酬(快感)になる場合があるということがこの研究からわかります。
私たちがSNSにハマる理由、それは絶え間なく流れる情報を求めているから、なのかもしれませんね。
参考文献:
Bromberg-Martin, E. S., & Hikosaka, O. (2009). Midbrain dopamine neurons signal preference for advance information about upcoming rewards. Neuron, 63(1), 119-126.