気分と坂の勾配の関係
環境をナビゲートする能力とその環境に対する認識の関係を調べた2011年の研究
ネガティブな気分の人はポジティブな気分の人よりも坂を急だと知覚する
気分が変われば、世界の見方がなんだか変わる気がすることはありませんか?
落ち込んだ時には世界は暗く見え、嬉しい時には世界は明るく見えませんか?
今回は、気分と環境の認識について考えてみましょう。
2011年の研究によると、悲しい音楽を聴いた人は、楽しい音楽を聴いた人に比べて、坂が急であると報告しました。
また、ネガティブな個人的体験について書いたグループはポジティブな個人的体験を描いたグループよりも坂が急であると推定することもわかりました。
これらの結果は、環境をナビゲートする能力が、環境に対する認識に影響を与えるという重要な知見を提供しています。
気分というのは、ただ単に感情の浮き沈みと捉えるのではなく、どれだけ環境に対して対応するキャパシティがあるのかと捉える方が良いのかもしれません。
参考文献:
Riener, C. R., Stefanucci, J. K., Proffitt, D. R., & Clore, G. (2011). An effect of mood on the perception of geographical slant. Cognition and Emotion, 25(1), 174-182.