声の高さと配偶者の好み
男女ともに異性の低い声の方が資源獲得(狩猟・採集など)に長けていると見なす
男性は配偶者としてより高い声の女性を好む
現在授乳中の女性は、男性の高い声の方をより好むのに対し、現在授乳中でない女性は低い声の方を好んだ
普段は意識しないかもしれませんが、友人とカラオケに行くと、自分の声や友人の声の高さや低さがよくわかります。
男性や女性は配偶者を選ぶ時、声の高い異性を好むのでしょうか?それとも声の低い異性を好むのでしょうか?
今回は非西洋文化圏におけるデータから、声の高さと配偶者の好みについて考えてみましょう。
まず、男女ともに異性の低い声の方が資源獲得(狩猟・採集など)に長けていると見なすことがわかりました。
しかし、男女別に異性の声の高さを比べてみると、男性は配偶者としてより高い声の女性を好むのに対して、現在授乳中の女性は、男性の高い声の方をより好み、現在授乳中でない女性は低い声の方を好むことがわかりました。
この結果はどう解釈できるのでしょうか?
資源獲得には肉体労働が必要と考えられるので、テストステロンと関連する低い声を持つ異性を男女ともに良い資源獲得者と考えるのでしょう。
また、男性が高い声の女性を好むのは高い声が高い繁殖力を反映しているからだと考えられます。
最後に女性が授乳中かどうかがどのような声の高さの男性を好むかに影響するのは、良い遺伝子と良い父親のトレード・オフがあるからでしょう。
つまり、良い遺伝子の指標であるテストステロン値が高い、声が低い男性は授乳中でない、良い遺伝子を欲する女性にとっては魅力的に映りますが、良い父親を好む現在授乳中の女性にとってはテストステロン値が低いと考えられる声の高い男性を好むと考えられるわけです。
参考文献:
Apicella, C. L., & Feinberg, D. R. (2009). Voice pitch alters mate-choice-relevant perception in hunter–gatherers. Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences, 276(1659), 1077-1082.