政治と競争と女性の立候補
2つの異なる被験者プールを用いて女性の競争的環境に対する嫌悪感を検討した2015年の研究
どちらの被験者プールにおいても、政治の競争的性質に関するプライミングは女性の公職選挙への立候補に対する関心を抑制することが判明
ジェンダーギャップについて議論する際に、政治家の男女比が話題に上がることがあります。
よくあるのは、女性の政治家の数が少ないということですが、今回は「女性が出馬しない理由」について考えてみましょう。
2つの異なる被験者プールを用いて女性の競争的環境に対する嫌悪感を検討した2015年の研究によれば、どちらの被験者プールにおいても、政治の競争的性質に関するプライミングは女性の公職選挙への立候補に対する関心を抑制することが判明しました。
つまり、政治活動は競争的な側面があるということを女性が知る/学ぶと、(女性は競争を嫌う為に)公職選挙への立候補などの政治活動を控える可能性があるというわけです。
男性は競争的性質を持つ政治家を好んで目指し、女性はそうではないと考えると、政治家の男女比がどれほど偏っていると男女の共同参画が進んでいないと言えるのか...単純ではない問題なのかもしれません。
参考文献:
Preece, J., & Stoddard, O. (2015). Why women don’t run: Experimental evidence on gender differences in political competition aversion. Journal of Economic Behavior & Organization, 117, 296-308.