加齢と性差と生活史戦略
生活史戦略が加齢によってどう変化するか調べた2017年の研究
ヒトは加齢と共に遅い戦略にシフトする
男性はすべての年齢で女性よりも生活史戦略が速く、この差の大きさは生涯を通じて一定
生活史戦略は進化心理学の中でも中心的な考え方の1つで、個人がどれだけ危険な行動などを行うか、いわゆる“生き急ぐか”の指標になります。
速い戦略(fast)と遅い戦略(slow)がどのような行動と関連しているのかは多くの研究報告がなされていますが、今回は生活史戦略が加齢によってどう変化するか調べた2017年の研究を見てみましょう。
この研究ではヒトは加齢と共に遅い戦略にシフトするということと男性はすべての年齢で女性よりも生活史戦略が速く、この差の大きさは生涯を通じて一定ということがわかりました。
これは、直感的にもイメージ通りなのではないでしょうか?
(随分と乱暴な言い方になりますが)、歳をとるにつれてヒトはゆっくりとした生活にシフトしていきますが、男性はそれでも女性よりも“生き急いでいる”ということです。
参考文献:
Kubinski, J. S., Chopik, W. J., & Grimm, K. J. (2017). Change across the lifespan in a psychological measure of life history strategy. Evolution and Human Behavior, 38(4), 434-441.