ハザ族における食料分配
ハンターが食料を優先的に家計に回しているのか広く分配しているのか調べた2020年の研究
ハンターの評判と栄養状態(ヘモグロビン濃度と体脂肪)には関連が見られなかった
この結果は、優秀なハンターが食料を独占しているのではなく、食料が広く共有されていることを示唆
人類の進化を語る上で、まだ生存している狩猟採集民を調査することは非常に重要です。
都市に住んでいると、食料を隣人と分け合うというようなことはなかなかないと思いますが、狩猟採集民は食料を分け合うのでしょうか?
優秀なハンターは食料を多く手に入れることができるので、手に入れた食料を独占する可能性もありますし、仲間と分け合う可能性もありますが、実際はどうなのでしょうか?
ハンターが食料を優先的に家計に回しているのか広く分配しているのか調べた2020年の研究では、ハンターの評判と栄養状態(ヘモグロビン濃度と体脂肪)には関連が見られませんでした。
この結果は、優秀なハンターが食料を独占しているのではなく、食料が広く共有されていることを示唆しています。
このように、一つずつ対立する仮説を比較していくことにより、少しずつではありますが人類がどのような進化をしてきたのかが垣間見えてくるのです。
参考文献:
Stibbard‐Hawkes, D. N., Attenborough, R. D., Mabulla, I. A., & Marlowe, F. W. (2020). To the hunter go the spoils? No evidence of nutritional benefit to being or marrying a well‐reputed Hadza hunter. American Journal of Physical Anthropology, 173(1), 61-79.