毒ヘビとEnvironmental Security Hypothesis
環境の安全性が低下すると、人々は生存を促進する特徴を持つ相手を好むようになる(Environmental Security Hypothesis)のか検討した2016年の研究
対照条件と比較して、環境脅威条件(毒ヘビを扱わなければいけないと信じ込まされた)の男性はより高いレベルの体脂肪を好み、環境脅威条件の女性はより高いレベルの筋肉量とより男性的な顔を好んだ
現代の日本では生涯100年と言われるように、人生は非常に長いものです。
祖先の環境ではそこまで平均寿命は長くなかったでしょうが、それでもヒトは比較的長い人生を歩みます。
この間、環境は一定ではなく、安全な時もあれば、危険な時もあると考えられます。
そんな環境の変化に対応して、私たちは選好を変化させるのでしょうか?もしさせるのであれば、どのように選好を変化させるのでしょうか?
環境の安全性が低下すると、人々は生存を促進する特徴を持つ相手を好むようになる(Environmental Security Hypothesis)のか検討した2016年の研究を見てみましょう。
この実験では、環境脅威条件の参加者は毒ヘビを取り扱わなければいけないと信じ込ませられていました。
その結果、対照条件と比較して、環境脅威条件の男性はより高いレベルの体脂肪を好み、環境脅威条件の女性はより高いレベルの筋肉量とより男性的な顔を好むことがわかりました。
環境が危険であれば、ヒトはそれに備えて生存を促進する特徴持つ相手を好むようになるというEnvironmental Security Hypothesisがこの研究では支持されたわけです。
参考文献:
Reeve, S. D., Kelly, K. M., & Welling, L. L. (2016). Transitory environmental threat alters sexually dimorphic mate preferences and sexual strategy. Evolutionary psychological science, 2, 101-113.