淘汰の機会と肥満の関係
159カ国のWHOと国連のデータから、淘汰の機会が緩和された指標と肥満の有病率の関係を調べた2017年の研究
淘汰の機会が緩和された指標と肥満の有病率には正の相関関係が見られる
この関係はカロリー摂取量、運動不足、GDPを統制した場合でも有意であった
現代社会における健康問題の一つで、全世界的に見ても急速に増加しているのが「肥満」です。
肥満は、単に体重が増えているだけの状態で、「食べ過ぎ」や「運動不足」だけが原因なのでしょうか?
今回は自然淘汰の機会から、肥満について考えてみましょう。
159カ国のWHOと国連のデータから、淘汰の機会が緩和された指標と肥満の有病率の関係を調べた2017年の研究によれば、淘汰の機会が緩和された指標と肥満の有病率には正の相関関係が見られることがわかりました。
また、この関係はカロリー摂取量、運動不足、GDPを統制した場合でも有意であったことから、肥満を単なる食べ過ぎや運動不足などと考えることは不十分で、肥満の増加はヒトが自然選択の影響を受けにくくなっていることも原因の一つなのかもしれません。
参考文献:
Budnik, A., & Henneberg, M. (2017). Worldwide increase of obesity is related to the reduced opportunity for natural selection. PloS one, 12(1), e0170098.