創造性テストと分散
思春期の中国人参加者627名を対象に創造性テストの成績の性差を検討した2013年の研究
男子は女子よりも創造性テストの成績のばらつきが大きいという仮説を概ね支持
創造性という能力が、性別によってどう影響を受けるのか、という問いは非常に興味深いものです。
言い換えるのであれば、創造性には性差があるのか、もしあるとすればどのような説明が可能かというのは重要な問いでしょう。
今回は、平均ではなく、分散から創造性の性差について考えてみましょう。
思春期の中国人参加者627名を対象に創造性テストの成績のばらつきの性差を検討した2013年の研究によれば、男子は女子よりも創造性テストの成績のばらつきが大きいという仮説を概ね支持しました。
補足ですが、成績のばらつきが大きいというのは、分散が大きいということを意味しています。
例えば、100点満点のテストで男性が平均40点、女性が平均50点であれば、女性の平均点が高いということになります。
しかし、男性の点数が10点〜70点、女性の点数が45点〜55点であれば、男性の分散が大きいということになります。
平均だけに注目するのではなく、分散についても検討することで見えてくる性差はあるというわけです。
参考文献:
He, W. J., Wong, W. C., Li, Y., & Xu, H. (2013). A study of the greater male variability hypothesis in creative thinking in Mainland China: Male superiority exists. Personality and Individual Differences, 55(8), 882-886.