反社会的罰はなぜ起きる?
なぜ協力的な人々が罰せられる(反社会的罰)ことがあるのか検討した2018年の研究
参加者がその後の協力課題で選ばれることを競い合っている場合は反社会的罰が起こりやすいことが判明
反社会的罰は協力のエスカレートを避ける為に機能している可能性を示唆
集団生活では、メンバーがそれぞれ協力を行うことが重要です。
協力するからこそ成し遂げられることも多いでしょう。
しかし、人間社会には実に不思議な現象が存在します。
今回は「反社会罰」について考えてみましょう。
反社会的罰とは協力的な人々が罰せられることを意味しています。
一見、協力的な人物が罰せられるのは不可解に感じます。
なぜなら、集団に協力的で利益をもたらす人がいれば、その人を放っておくだけで、個人はコストを負わずに協力行動の恩恵にあずかれるかもしれないからです。
反社会的罰がなぜ起きるのか検討した2018年の研究によれば、参加者がその後の協力課題で選ばれることを競い合っている場合は反社会的罰が起こりやすいことが判明しました。
これは、反社会的罰が協力のエスカレートを避ける為に機能している可能性を示唆しています。
協力度が低い個人にとって、高レベルの協力を行なっている人との“差”は疎ましいものでしかないのかもしれません。
参考文献:
Pleasant, A., & Barclay, P. (2018). Why hate the good guy? Antisocial punishment of high cooperators is greater when people compete to be chosen. Psychological science, 29(6), 868-876.