2つの異なる文化圏での顔の対称性の好み
顔の対称性の好みをヨーロッパ人(英国)と狩猟採集民(ハザ族)で調査した2007年の研究
対称的な顔は非対称的な顔よりも魅力的であると評価された
対称性は英国よりもハザ族でより強く好まれていた
遺伝的な質を示すと考えられる顔の対称性は死亡率が非常に高いハザ族でより重要な可能性を示唆
進化心理学の中では対称的な顔が魅力的で好まれるということが繰り返し主張されてきました。
しかし、これは狩猟採集民のような、現代人と異なる生活をしている人々でも同じなのでしょうか?
顔の対称性の好みをヨーロッパ人(英国)と狩猟採集民(ハザ族)で調査した2007年の研究によれば、対称的な顔は非対称的な顔よりも魅力的であると評価されることが判明しました。
つまり、どちらの文化の人々であっても、対称的な顔はやはり魅力的に見えるようです。
顔の対称性の好みの強さはどうでしょうか?
この研究の分析では、どうやら対称性は英国よりもハザ族でより強く好まれているようです。
これは、遺伝的な質を示すと考えられている顔の対称性は死亡率が非常に高いハザ族でより重要な可能性を示唆しています。
この研究は、異なる文化間でみられる共通の好みを明らかにするのと同時に、好みの強さの違いにも注目しているところが面白いのではないでしょうか?
参考文献:
Little, A. C., Apicella, C. L., & Marlowe, F. W. (2007). Preferences for symmetry in human faces in two cultures: data from the UK and the Hadza, an isolated group of hunter-gatherers. Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences, 274(1629), 3113-3117.