哺乳類と生殖停止後の寿命
生殖が停止した後にもメスが長く生きるのは哺乳類で一般的かどうか調べた2018年の研究
52種の有胎盤哺乳類のうち、生殖が停止した後にメスが長く生きる種はヒト、シャチ、コビレゴンドウの3種のみ
女性はいつか閉経を迎えます。
それは、辛く長い生理痛との別れでもありますが、同時に生殖が停止することを意味します。
閉経を迎えても女性は長く生きますが、これは自然界ではよくあることなのでしょうか?
生殖が停止した後にもメスが長く生きるのは哺乳類で一般的かどうか調べた2018年の研究によれば、52種の有胎盤哺乳類のうち、生殖が停止した後にメスが長く生きる種はヒト、シャチ、コビレゴンドウの3種のみであることがわかりました。
つまり、この研究からは生殖が停止した後に長い寿命を持つのは哺乳類においては珍しいということです。
この話は進化心理学の中でも有名な「おばあさん仮説」と関連するわけですけど、ひとまずは生殖が停止したにも関わらず長生きするメスを持つ種は(哺乳類では)珍しいということを覚えておきましょう。
参考文献:
Ellis, S., Franks, D. W., Nattrass, S., Cant, M. A., Bradley, D. L., Giles, D., ... & Croft, D. P. (2018). Postreproductive lifespans are rare in mammals. Ecology and evolution, 8(5), 2482-2494.