独身女性の加齢と高コミットメント戦略の使用の変化
独身女性は加齢に応じてどのように繁殖戦略を変化させるのか調べた2019年の研究
加齢に伴い、独身女性は新しいパートナーとの性行為前に関係の排他性を確立する傾向が弱まる
典型的な閉経年齢を過ぎると、独身女性が関係の排他性を確立する傾向は以前のレベルに戻る
新しいパートナーと性行為を行うために、独身女性はどのような戦略を用いているのでしょうか?
今回は、独身女性が加齢に応じて、パートナーとの排他的な関係を築こうとするのかについて考えてみましょう。
2019年の研究によれば、加齢に伴い、独身女性は新しいパートナーとの性行為前に関係の排他性を確立する傾向が弱まることがわかりました。
また、興味深いことに、典型的な閉経年齢を過ぎると、独身女性が関係の排他性を確立する傾向は以前のレベルに戻るようです。
ちなみに、新しいパートナーとの性行為前に関係の排他性を確立する傾向(高コミットメント戦略)は参加者が新しいパートナーとセックスをする前にどれくらいの期間待つかという意思表示を指標として測定されました(参加者が容易に性的関係に移らなければ、関係の排他性を確立するということ)。
この研究結果は、女性の「性」を男性からのコミットメント(投資)と引き換えにしていると考えるとわかりやすいかもしれません。
つまり、20代のような繁殖価がとても高いような時には、男性からのコミットメントが期待できますが、繁殖価が閉経に近づくにつれて減少すると、男性からのコミットメントは期待できない(男性はそうするメリットが少ない)ので、新しいパートナーとの性行為に以前より期間を空けずに臨むようになるのです。しかし、一旦、閉経年齢を過ぎてしまうと、もはやどうやっても子どもは産めませんので、繁殖に労力をかける必要がなくなり、男性からのコミットメントを求めるレベルは以前のレベルに戻るのです。
参考文献:
Cohen, S. E., Todd, P. M., Kruschke, J. K., Garcia, J. R., & Fisher, H. E. (2019). Singles of both sexes expedite reproduction: Shifts in sexual-timing strategies before and after the typical age of female menopause. Evolution and Human Behavior, 40(6), 557-569.